えっと…。注意書きがネタバレになるので…。 "At your own risk" でご覧下さい(⌒▽⌒;;

読み終わって怒りが込み上げてきても、私にカミソリメールとか送らないで下さい(涙)





  『一番近いひと』














「動かないで下さいっ」



 頬を膨らませた少女が声を上げた。



「ちょっとくらい、いいだろ」

「ダメです」



 真剣な顔できっぱりと却下される。



「今日こそは最後までつきあってもらいますよ」

「だからムリだって」

「…うー」



 上目遣いで非難の視線。



「そんなこと言う人、嫌いです」



 穏やかに表情を崩す。

 その目にかすかな幸せの涙が光った。



「ひどいことを言った罰です。絶対に動かないで下さい」

「かなり熱いんだけど」

「寒いよりましです」

「確かに…そうかもしれないけど」

「はい」



 再び訪れる静かな時間。



「やっぱり熱い」

「わっ、まだダメですっ」

「我慢できん」

「それでもダメですっ」

「じゃあキスしたいな…」

「ダメですったら…、は、はむ…む…ぐ、ぷはぁ…。…うー」



 真っ赤な顔に、嬉しいような困ったような表情を浮かべる。



「もうっ。今のだけですっ。もう絶対動かないで下さいっっ」

「それじゃ何も出来ん…」

「出来なくていいんですっ」

「栞を可愛がれん」

「か、可愛がらなくて結構ですっ」



 少女は自分で言った台詞にはっとした。



「うー…」

「そっか。可愛がらなくていいのか…」

「うー…」

「俺は栞を愛してるのになぁ」

「ご、ごめんなさい。でも、せめて、もうちょっとだけ…」



 涙目になって懇願する。

 見上げた顔がとても可愛い。

 困ったように寄せられた、形の良い細い眉。

 揃えられた前髪から覗く、大きな瞳。

 上気した頬。

 かすかに開いた小さな唇。



 愛おしさがこみ上げる。





 ぷちっ。





 何かが切れた音がした。



「私が落ち着くまで――きゃっ」

「やっぱり我慢できない」

「あっ、だ、ダメですってば!









 動かない、で、下さいって、あ、









 は、あん、だ、ダメっ、ダメですぅ〜〜、祐一さぁ〜〜〜ん☆」

























「10戦全勝」

「そんなこと言う人、大っ嫌いですっ!!!!」













                         ちゃんちゃん♪ (⌒▽⌒;